ロシアの二枚目

『映画に学ぶロシア語~台詞のある風景』を読んでいて思ったことなど。
ワシーリー・ラノヴォイ。

この人、「戦争と平和」のアナトール・クラーギンとか、「アンナ・カレーニナ」のアンドレイ・ヴロンスキー(↓)とか、観客の共感を得にくい、軽薄な二枚目役を得意としていたようですね。

 
 
「アンナ・カレーニナ」主演のタチヤーナ・サモイロワとはこの映画の前に結婚→離婚、現在の妻はやはり絶世の美女であるイリーナ・クプチェンコ(「貴族の巣」のリーザ役が素晴らしい。「美しき幸せの星」もよかった)。このへんは他のロシアの演劇・映画関係者と似ています(某偉い人曰く「女をとっかえひっかえ」)。
 
このラノヴォイ、自分が出演したアレクサンドル・ザルヒ監督作品以外の「アンナ・カレーニナ」の映画化作品に関しては、酷評しています。凄い言いようです。(『映画に学ぶロシア語』を見よ。)
 
ロシア語のウィキペディアを読むと元々はモスクワ国立大学のジャーナリスト学部で学んでいたそうで、「戦争と平和」DVDの特典映像に収められたインタビューによれば大学で文学を教えていたりもし、実際のラノヴォイはなかなかの知性派なのですね。
 
DVD収録のインタビューでは、重傷を負ったアンドレイの傍らでやはり傷ついたアナトールが足を切られる場面を是非撮るようにと監督に進言したと語っています。自分の出番が欲しかったということではなくて、憎まれ役アナトールの最期を暗示させて因果応報的なまとめをしたかったということのよう。
アナトールは今でも好きになれる余地がない人物なのですが、あまりにどうしようもなくてさして印象深くはないのですが(ヴォルコンスキー一家の男たちが好きになれないので、クラーギン一家の嫌な感じは私の中では相対的に軽減されているのかも)、当初大嫌いだったヴロンスキーの方は何となく少しずつ理解できるかなあという程度にまではなってきたかもしれないです。
何というか、ヴロンスキー、現代っ子っぽいですね。
アンナの自殺にちょっぴりへこんでみたりもするけれど、すぐセルビアに出征しよう!とヒロイズムに心が傾いて自己満足。
という場面までは映画では撮られていないけれど、ラノヴォイの感じ、そういうヴロンスキーの天然の軽薄さが出ていたな、と思います。
二枚目俳優であっても、ニキータ・ミハルコフとかだったらもう少しあっけらかんと騒々しく演じたかもしれないし、スタニスラフ・リュプシンだったら情けなさを押し出して哀れを印象付けたかもしれません。
 
ラノヴォイの他の出演作には「真紅の帆」「春の十七の瞬間(とき)」「トゥルビン家の日々」があるようで、そのハンサムくんぶりを発揮しているのでしょう。
DVDがIVCあたりで発売されて観られるといいんだけどな。
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ロシアの二枚目 への2件のフィードバック

  1. 良輔 より:

    こんにちは、小松です。丁度、「論拠と事実」にВасилий Лановойのインタビュー記事が載ってました。http://www.aif.ru/culture/article/23897

  2. Kocmoc Kocma より:

    小松さん、こんにちは。「論拠と事実」のこと、ありがとうございます。写真や動画まであって、いいですね。マヤコフスキー博物館を守るために、詩を朗読して、騒動の首謀者たちを黙らせたってところ、この時代の文化人らしいなあ、と思いました。近いうち、お会いしましょうね。

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